
株式会社マイハウスと船井総合研究所
つくばエクスプレスが開通し、約2年。新線開通で不動産業が活発な守谷市と人口流動で空室問題に悩む取手市の中央に本社を構えるのは、創業15年の株式会社マイハウス(以下マイハウス) 。現在、社員の成長=会社の成長、一人当たり生産性UPを目指し成長し続ける不動産会社である。
船井総合研究所とマイハウスとの出会いは5年前に遡る。当時本店店長であった佐藤氏(来期より取締役)が参加したセミナーからの経営相談がきっかけだった。根本社長との面談の中で今後の社長ビジョン達成に向け、タッグを組む事となった。
人材が育たない!
当時、根本社長は会社の方向性に不安を感じていた。自社を2店舗から3店舗に増やしたい。そして将来的には社員の年収を更に良くしたい。しかし店舗を任せられる『人材が育たない』。それが一番の問題点だった。
当時経営に関しては根本社長に加え、佐藤店長、もう一人の店長が関わっていた。しかし、ご支援当初、幹部ミーティングを行ってもそれぞれ考える方向性に違いがあり、中々意見を一本化しきれなかった。また、現場を見ても、社員さんは会社の方向性を理解しきれず、プロセス管理もやり切れていないため、具体的にやるべきことが不明瞭な状態にあった。『育たないのではなく、育てていない』。どう人材を育てるか、それが一番の課題であった。
自立型社員育成で『社員が育つ環境作り』
「社員が育つ環境づくり」実践5つのポイント
【1】 社長のビジョンの徹底的な現場浸透
(明文化した経営計画書と全体会議説明)
【2】 目標を明確にし、社員がやるべきことに対するより成果の出やすい仕組化
(目標達成の為に成果の出易いやり方を誰でも出来るよう仕組み化)
【3】 店長による現場でのプロセス管理。問題に対する対策
(店長が現場把握、進捗確認できる帳票整備)
【4】 賃貸、管理など役割を明確にした体制づくり
(お客様により専門特化でき、責任も明確化して効果的、効率的な体制づくり)
【5】 明確な給与制度による社員が夢と希望を持てる環境づくり
(社員が『夢と希望を持てる』会社となるため、『社員の年収を上げたい』という社長の思いを、人事評価制度を変えることで形に。一人当たり生産性UP=人件費UP。一人当たり生産性1500万円目標、営業利益の40%を社員に賞与原資として還元。後に基本給、役職給、キャンペーンなど、報奨も実施。)全社員が「売上⇒費用⇒利益」を意識し動き始めた。
自立型社員育成の第一歩は、会社の方向性、ビジョン、考え方を明確にすること。そしてビジョン実現のために『あり方』面と『やり方』面をはっきりさせること。『あり方』面は企業理念につながる。『やり方』面は企業理念を元に今後の方向性を見据え、具体的に実践できるよう、仕組み化を進める。『あり方』は社長が、『やり方』は佐藤店長が、中心となって現場への理解を推進していった。
※会議は、月2回店長会議(後に幹部会議へ)、月1回全体会議にて方向性、戦略、組織づくり落とし込みへ。
成功体験が社員を育てる。
ビジョンが明確であれば、達成のために、やるべきことは見えてくる。当初、仲介売上の向上と管理戸数拡大の2つを大きな課題として動いた。(後に関連商品、リフォームなどへ展開)その方策として、船井総研は数々のツール、帳票の提案し、店長がそれを自社流にアレンジする。店長が現場で使えるように徹底的に仕組化、落とし込みを行った。『やるべきこと』はどんどん明確になっていった。加えて成果に対してはあらゆる『評価』( 利益還元、キャンペーン、報奨、役職アップなど)が帰ってくる。何をやればよいのか、そしてどうすれば自分、そして会社が成長するのか?実感していくことができる環境が、少しづつ社員の意識も変えていった。
船井総合研究所の支援開始から平成20年春で満5年を迎え、マイハウスは更なる成長を続けている。根本社長はこう語る。「来年のマイハウスは数字にこだわる年。お客様満足だけでなく、社員、会社の満足も実現していきたい」佐藤氏は店長から部長を経て、来期より取締役就任が決定し、全体を仕切る立場として、 根本社長を全面的に支えている。次世代の店長も成長し、目標としていた3店舗目も無事出店、順調に業績を伸ばしている。
第3世代リーダーを育てる『一人一委員会』
マイハウスの自立型社員育成プログラムは第3世代のリーダー育成に移っている。その取組の一つとして、注力しているのが『一人一委員会』制度。この制度はやるべきことテーマごとに各店舗からそれぞれ担当決めを行い委員会として実践していくことで、細かなやり方を現場にどう落とし込むかまで細かくリーダーで決定していく方法(最終決裁は佐藤氏)から、個々の社員を巻き込んだ体制を構築し、実践している。委員会内容について、各委員会リーダーに話を聞いた。
―IT委員会での現状の取組は?
現在自社HPのリニューアルを企画しています。今はサイトマップの作成段階ですね。 あと2週間程度でトップページを完成させる予定なので追い込み段階に入っています。
―HPの作成はどのように進めていらっしゃるのですか?
社内でやれることは全て自分達でやってます。業者に任せると費用もかかります。 感覚的には手作りです。
―Web関係にお詳しいですね?
いえ、実は全くの素人なんです。ただ、営業をやりながら、以前から何とかしないととは思っていました。実はWebにも興味はあって。IT委員会も自分で立候補しました。わからないことは多いのですが、それでも社長を含め、ほとんどを委員会に任せてくれる会社の風土は素晴らしいと思います。船井総研さんでもサポートしていただけるので進捗は上々です。委員会を始めてから会社自体を変えないと、という活気が出てきたように思います。
全体会議で『ビジョン』の共有化
マイハウスの自立型社員育成は『一人一委員会』のみではない。『ボトムアップ型経営』を実現するため、『あり方』『やり方』を共有する全体会議も精力的に実践している。
全体会議は月1回、全員が1日時間をとれる定休日に行う。朝礼時の元気の良い挨拶や経営理念の唱和など、一体感のあるマイハウスらしい始まりとなっている。
マイハウスの全体会議でのポイントは「社員が主体であること」。全体会議の司会は店長の中から選出し、毎回担当を変える。経営陣は与えられた時間以外はほとんど発言をしない。経営陣は極力裏方に徹し、発言の場で徹底して経営方針、企業理念を説く。常に会社としての基本を忘れず、 しかし社員に自主的な発言の場を与えることがマイハウス流全体会議である。
また、会議内では各委員会の活動報告も行われる。会議は社員主導のため、他の担当社員からも厳しい質問、 意見交換が容赦なく行われる。普段交流が少ない別店舗の社員同士、良い交流、 情報交換の場にもなっている。
店長会議での継続的なリーダー育成
一方、店長会議では、実践的な戦術、戦闘策を考える。社長、部長の経営幹部、現場を支える各店長、そして船井総研が参加し会社の売上を支える各店の対応策を導き出す。ここでも自立型社員育成の方向性は変わらない。
まずは各店長が月度の数字状況、課題から、具体的対策を発表する。数字管理が徹底され、明確になっている状況の中で、各リーダーの発言にも責任感が伺える。そんな中、店長に対しては共に考えるスタンスである。将来のマイハウスを支えるメンバーには経営陣に近いポジションを求めている。どうすれば成功するのか共に考え抜くことで、リーダー自身の成功事例を作っていく。
全体会議当日の最後は社長、部長、船井総研での幹部会議で締めくくる。この時点では詳細な話を把握しきれない社員に対しても現状が良く見えている。それが全体会議のメリットの一つでもある。全体会議でのテーマは主に年間目標数字をいかに達成するか、そして多くが評価、組織体制などのマネジメントに費やされる。特に自立型社員を育てるためには明確な役割とそれに対する責任、そして成果に対する利益還元型のリアルな評価が不可欠だ。又、昨今は更なる売上向上を目指し、つくばエクスプレス沿線での新たな土地活用、売買の方向性についても徹底討論する。
現在マイハウスでは自立型社員による生産性の向上により、利益の40%を社員に還元する給与制度を実現し、『社員の年収をさらによくする』というテーマも達成しつつある。日々移り変わる賃貸住宅市場の中で、マイハウスは日々成長し続けている。
| 会社名 | 株式会社マイハウス |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役 根本 実 |
| 創業 | 平成5年6月 |
| 社員数 | 16名 |
| 所在地 | 茨城県取手市戸頭1167-3 |
| 営業内容 | 賃貸仲介・管理業務 |





